学長メッセージ
市民と自治体の協働
牛山 久仁彦
これまで日本の自治体は、住民にさまざまな行政サービスを提供してきました。福祉に関する事業、教育、それに保健衛生など、自治体の活動の量と幅は、世界でも珍しいほど広範囲に及んできました。一方、自治体の多くは、人口減少社会の中で、財政難に直面し、以前のように、「あれも、これも」といったサービスを提供することができなくなっています。
そうした状況の中で、「協働」が注目されています。これは、自治体が一方通行で住民にサービスを提供してきたこれまでの仕組みを変えようとするもので、住民と自治体が一緒になっていろいろな計画を考え、それを両者が協力しながら実現に向けて活動する、そうした地域社会を自治の下で支えるのが住民と行政の協働です。これから協働という仕組みが、地域づくりの基礎になる必要があるといえます。
相模原市では、協働が持つ可能性をまなび、具体的な実践につながる学習の場として、「さがみはら地域づくり大学」を開講しています。「地方創生」や「地域づくり」などが注目を集める中、それに取り組む考え方や実践方法などについて、協働という仕組みを通して市民の皆さんと一緒に検討していくことが、この大学の目指すところです。相模原市のこれからを考えるための場、よりよい地域社会を作っていく学びの場である「さがみはら地域づくり大学」に、多くの市民の皆さんが参加いただけることを期待しています。
さがみはら地域づくり大学 学長
牛山 久仁彦
明治大学政治経済学部地域行政学科長(政策学科設置準備委員会委員長)・教授
相模原市総合計画審議会会長、茅ヶ崎市総合計画審議会会長、愛川町行政改革推進委員会委員長、神奈川県特別職報酬等審議会会長、東京都大田区区民協働推進会議副会長、愛知県岡崎市市民協働推進委員会会長などを務める。
専門は行政学と地方自治論。地方分権改革に伴う自治体行政改革の課題と展望、行政と住民の協働などを研究。著書に『大都市制度の構想と課題』(編著)、『都市政治論』(共著)など多数。
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